岩屋山・志明院

楼門
楼門・室町時代再建、金剛力士は右は運慶、左は運慶実子・甚慶の作と言われ、現在本堂に安置されている。「岩屋山」の額は小野道風の筆である。
 
 当山は六五〇年(白雉元年)役の行者が創建する。
八二九年(天長六年)弘法大師が、淳和天皇名御叡願により再興、本尊不動明王は淳和天皇の勅願に依り弘法大師の直作と伝えられ、根本中院本尊眼力不像明王は宇多天皇の勅願により菅原道真公一刀三礼の彫刻で以来皇室勅願所として御祟敬深く、秘仏として御即位に際し勅使を迎え開扉され、宝祚延長、万民安穏の祈願を籠めされた。日本最古不動明王顕現の神秘霊峯である。
 後奈良天皇、一五二二年(大永八年)天下静謐の祈願に諸堂開扉の詔あり、その後勅願成就の御慶として志明院の晨額と南無不動明王の六字紺地金泥の晨筆を賜う。
 皇室の御祟敬の一因には鴨川の水源地である洞窟の湧水を重視、水神を祀り、清浄な鴨川の御用水を祈願したと伝えられている。水の伝説として有名な歌舞伎十八番「鳴神」がある。
 一八三一(天保二年)失火により山門を除く殆んどが焼失の悲運にあったが幸い本尊不動明王はその災厄を免れた。後、数多くの熱心な信者により次第に復興された。最近の自然破壊の傾向の中で大自然の尊厳ある山岳道場の重要性が再認識され、混濁する世相の中にも無垢清浄の光明を見い出さんと願う人々によって美しい自然の行場が護持されている。

奥深い山内の始まりです


山内諸堂由来

                 鐘楼・梵鐘は藤原国久の作。
■ 本堂・本尊不動明王は弘法大師の開眼。内陣右は大日如来、両脇士毘沙門天、歓喜天。
■ 飛竜ノ滝・弘法大師三密の秘法を修し一顆の玉を授けると忽ち化して竜となり滝に入る。依って一宇    を建立し飛竜権現と言う。浴すれば心願成就するといわれ、鳴神上人の行場でもあった。
■ 護摩洞窟・役ノ行者、弘法大師諸大徳行法の跡、鳴神上人が護摩行のためにこもった。
■ 納経の窟・御遺物経文を埋めたと伝えられている。
■ 桜天満宮・菅原道真公行法の跡で遷宮に際し、一株の桜一夜に花が咲き故に桜天満宮と名付けたという。
■ 宇賀稲荷社・当山鎮守で明神巌窟にある。
■ 金掛岩・鎖鏈三尺昇れば行者祠に達する。
■ 神降窟・百尺の大窟で洞中より皇室に献上した霊水が湧出。この霊水は難病を癒すといわれる。
■ 根本中院・神降窟はー頭をためて巌に倚り架設した舞台造りである。本尊は宇多天皇の聖意に仍て菅公の手に成り、往古は御即位に際して詔勅に依り宝祚万歳国家奉年の勅願開扉せられたという由緒尊きもので眼病に霊験あり。
■ 蛇穴・開山堂の前で、谷間にあり深き底しれずといわれる。現在は岩砂のため穴口を埋める。
■ 神変堂・本尊役ノ行者神変大菩薩を祀る。
■ 陀枳尼真天堂・境内金光山中腹にあり、この辺五葉の老松茂る。
■ 六本松・代々より六本松生ず、宝珠を埋むといわれている。
■ 脳薬師・金光山中腹にあり首より上の病に利益があるという。
■ 飛岩・奇巌多く眺め良く絶好の行場である。
■ 座禅石・役ノ行者を肇め諸大徳静者の行法跡。
■ 弁財天・海抜六百米岩屋山頂にあり、最も俗世をはなれた深山の行場。


鳴神
 歌舞伎脚本 歌舞伎十八番の一。本名題「雷神不動北山桜」。これはインドの波羅奈国の山岳に修行していた一角という聖者の話といわれる謡曲の「一角仙人」を題材にしたものと言われている。「雷神不動北山桜」は五段続きで、四段目の中と切とが鳴神の条で三段目に「毛抜」五段目の大切に「不動」があった。これらは後に分離、独立して発展、七世団十郎によって「十八番」に制定された。
 当山の僧、鳴神上人は朝廷に願いを立てたがお許しがないのを恨み、三千世界の竜神を飛竜の滝壷に封じ込め黒雲坊、白雲坊を従えて護摩の洞窟にこもる。旱魃となって苦しむ民百姓を救うため朝廷は雲の絶間姫という洛中一の美女を遣わす。姫は色仕掛けで上人を迷わせて破戒させ、竜神を封じ込めた護摩洞窟の注連縄を切る。上人の法力は破れ、竜神は天にのぼり雨が沛然と降る。
 この物語は人間のもろさを大胆にしかも生き生きと描いている点に近代劇的な味をもっており時代や国境を越えて観客の心をうつものがあり十八番中の傑作といえよう。

お願い
 志明院いわく、当山は俗化や自然破壊を防ぐことに努力しています。植物や動物が滅亡していく今、微力ながらその必要性を訴えています。門内の植物や石等(特にしゃくなげは若木が少なくその保護が必要です)皆さんと護持していくことを願っています。

「注意:飲食物持ち込み禁止・車で行かれる方は、駐車場では寒暖に関係なく、エンジンを必ず切っておく事。」

拝観時間::7:00〜16:30(下山時間17:00)
拝観料・大人・中高生300
山門先は車椅子拝観不可(背負っても困難)
京都市北区雲ヶ畑出谷町261 TEL075−406−2061
市バス雲ヶ畑岩屋橋下車

写真撮影・小耳眼
      

     戻る     トップページ